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2017年9月23日土曜日

子どもの絵画授業で賞を狙う。


みえ先生はどして、賞を狙った絵画を描く授業をしないんですか!?

たま〜に質問を受けるんです。

私もたまに改めて自分の考えを言葉に起こす作業をしながら20年きました。
さてさて何故でしょうか。。(笑)

そう考えると、そもそも子供の頃に賞を狙う事の意味や目的ってなんだろう、、
褒められることは嬉しいから、単純にそれなのかなあ、
結果として、形に残るから。それは確かにあるかも。

じゃあ、どんな絵が賞を取るんだろう、、
子供の絵で上手な絵ってなんだろう、、、

リアルに写実的に描ける子。
発想がいつもとても面白い子。
綺麗な色をいつも上手に使う子。

それもこれも、その人によって素敵に見える感覚は違うと思いませんか?

そんな様々な要素があっての絵の良し悪しなので、
もしも公募に出すなら、その子の絵がどの公募団体の好みにあうか
よくよく研究して出さないと、写実画が評価されやすい所に、
不思議な抽象画を出しても、どんなに上手でもきっとひっかかりませんよね。


そんな事を考えながら、それでもリサーチしまくって賞が取れそうな絵を仕上げて
頑張って出して見て、もしそれが落選した時にめちゃめちゃがっかりしますよね。

っていうか、リサーチしまくって描いた絵って、その子の中から自然に湧き出た
描きたい表現の絵だったのだろうか。。

もし賞を取らす事を考えた絵画教室を運営していくなら、私なら勝算を考えて
もう、公募1つの私の得意な表現に所に絞ってしまい、その公募に合わせた絵のみを
全員に描いてもらい、
数打てば当たる作戦で行くのが1番早いのかな、そうすると、みんなの絵は似てくるだろうし、
描き方も決まってくるだろうなあ。

じゃあもしも、運悪くその絵の表現とは全く違う系の絵を得意としている子が、
その画塾に入ってしまったとして、自分の描きたいと思わない表現の絵を評価される
環境でいたら、、きっと美術が好きでなくなるし、自信も失いますよね。。


わたしは、子どもの頃の小学校で美術を教わった先生が、きっと写実的に描くのを好んだ
先生だったんだろうな、、空を青以外で塗っていい雰囲気がない授業を受けていたので、
それが当たり前に思ってそのまま美大に進みたいと美術の道に入って行ったので、
その空は青く。的な固定概念がなかなか抜けなくて、空をピンクに塗ったほうが
この絵は綺麗な気がするけど、、、いけない事だし、、
みたいな、残念なイメージでなかなか苦しんだことがあったんですよね。。。

その後、多摩美大時代に、ほんとに数限りない表現の作品や、見た事のない美術の
ジャンルを沢山見たんです。その時改めて、美術って自由だったんだなって
しみじみ、、むしろ見た事のない表現を探して行く事が大切だったり、
難しかったり、、

なので、子どもの頃にこんな授業を受けていたら、もっと楽に色んな表現を楽しめた
だろうなあっていう、私の経験をもとに、私は私の教室に縁あって来てくれた子供達には、
全ての美術のジャンルの可能性を無くさないように指導していきたいんです。

幸いにも創には、油絵の専門の先生、日本画の専門の先生、デザインの専門の先生
と色んなジャンルのプロがいるので、1つにくくった指導はしたくないんです。

もし美術に進みたいと思った時に、改めて自分は美術のどの分野が向いているのか、
好きなのか、そんなのを考えれるように、どのジャンルにもいけるような
色んな体験をいっぱいさせてあげたいです。

写実が得意な子。イメージ画が得意な子。
みんなの個性を認めてあげて、褒めてほめてしてあげて、
美術を大好きに、固定概念なく、堂々と自分の表現したい描き方で
描ける子に育ててあげたいんですよね。。

そうやって仕上げていった作品でも、夏休みの宿題絵画で充分
賞を貰ってくる子はいるので、あえて狙いに行く理由がやっぱり私には
ないかなと考えています。


美大に毎年沢山進学していっている。
美術が好きで進路に選んだ子を送り出している。それが、私の教室運営の最終目的で
それが充分幸せな事だなあ、、と思ってアート工房創を日々運営していきたいなあと
思っています。

どうでしょうか?なぜ賞を狙わない?の答えになりましたか??(笑)